2025年度ISDCプログラム(株式会社フジタ)最終報告会を実施

2026/04/15

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2026年3月16日(月)、2025年度株式会社フジタISDCプログラム最終報告会を開催しました。株式会社フジタのご支援のもと、5名の学生が約1年間にわたる研究成果を発表しました。
発表後の質疑応答では、最前線で活躍する企業の方々ならではの実務的な視点から、多くの質問や講評が寄せられました。デザイン性と実現性の両立に関する指摘や、施設の維持管理に必要な収益性に関する問いなど、中間報告会からさらに踏み込んだ意見交換が行われ、議論が一層深まりました。また、審査に先立ち、会場に展示された建築模型やパネル、資材サンプルを参加者にご覧いただき、学生自身が直接説明を行う場も設けられ、研究内容への理解がより一層深まりました。

  • 【最終発表会の様子①】
  • 【最終発表会の様子②】

  • 【最終発表会の様子③】

  • 【最終発表会の様子④】

審査では最優秀賞および優秀賞の選定にあたり、いずれの発表も高い完成度と独自性を備えており、株式会社フジタの皆様による慎重な審議が行われました。その結果、インド西部の階段井戸「ステップウェル」を現地調査し、その機能を日本・渋谷の地下空間へ大胆に取り入れることで、水を活かした新たな地下空間設計の可能性を探究した、修士課程建築学専攻2年の川口弘誠さんの研究が最優秀賞に選ばれました。
講評では、本プログラムのこれまでの取り組みにも触れつつ、地道な調査やデータの蓄積と、学生ならではの柔軟で大胆な発想の重要性が強調されました。今後もそれぞれの関心を深め、主体的に研究活動へ取り組むことへの期待が寄せられました。

【審査結果】

-最優秀賞 川口 弘誠  (大学院工学研究科 建築学専攻 修士2年)
「ステップウェルの空間体験に関する研究-地下空間における水の存在と設計的可能性-」
-優秀賞 古池 遼太(大学院工学研究科 建築学専攻 修士2年)
「廃棄衣類 繊維を再活用した 断熱材の開発とLCCO₂評価」

■受賞者からのコメント■

最優秀賞 川口 弘誠さん

このたびは最優秀賞をいただき、大変光栄に思います。関係者の皆様、そしてこれまでご指導くださった先生方に心より感謝申し上げます。
本研究は、インドのステップウェル調査を手がかりに、都市でブラックボックス化している水の存在を空間へ引き戻す試みです。渋谷駅東口地下の雨水貯留システムを対象に、水へ降りていく公共空間を提案しました。
インドでの調査は、楽しいことばかりではありませんでした。驚きや恐ろしさ、時には悲しさを感じる場面もありました。しかしそうした体験こそが、この研究を支えています。
建築は、まだない空間をドローイングやパースで社会に提示できる仕事だと思います。どこか不確かな時代だからこそ、少し遠くの未来に向かって小さな石を投げるような提案ができるところにも、この仕事の面白さがあるのではないかと感じています。今後も旅を通して多様な文化や価値観に触れ、その蓄積を空間づくりへとつなげていきたいと思います。

優秀賞 古池 遼太さん
この度はISDCプログラム優秀賞を賜り、大変光栄に存じます。
また、ご支援いただいた株式会社フジタの皆様に心より感謝申し上げます。 今回の研究では、衣類の大量廃棄問題の解決に向けてリサイクル方法・用途の拡張が重要であるという考えから、その方法の1つとして断熱材への活用を検討し、制作及び性能評価などを行いました。
前年度までは吹き込み施工を想定して研究を進めてきたのに対し、今年度は他の一般的な工法・施工方法である成型タイプの断熱材の制作に取り組みました。衣類繊維を単に直方体形状に成型すること自体難しかったですが、そこから発展させて密度の適正化・断熱性能の向上を目指す、断熱材としてよりよいカタチにしていく過程は特に大変で、何度も試行錯誤を重ねたため多くの時間を要しました。
今回の研究で得た学びや経験は、社会に出てからも活かしていきたいです。
最後に、今後さらに研究が進み、いずれ衣類繊維を使用した断熱材が実用化されることを期待しています。

【表彰式の様子】

ISDCプログラムとは

学生と企業が「直接的(ダイレクト)」に「連携する(つなぐ)」、これまでにないコラボレーションプログラムです。学生は企業の課題に自らの研究でチャレンジし、評価を受けます。

ISDCプログラム